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【見学記15-3】スフィアーの仔、立ち上がる

なおやの見学記2015-03

見学中の管理人に来客? 驚きが続く見学初日は、まだ終わらないのです……2015年見学記・第3弾!

なおやの見学記2015-03

なおやの見学記2015-03

 

本来生産牧場は伝染病予防を主目的として、出産・種付けシーズンの見学を許可しておりません。今回ここに書き留めることは、このシーズンに見学ができるかのような誤解を与えてしまうのであれば不本意です。かならず「競走馬のふるさと案内所」をよく読んで、牧場見学のルールを守って下さいね。

前回『【見学記15-2】繁殖牝馬たちに挨拶しまくり』はこちらです。

 

見学に来ている錦岡牧場泊津繁殖場では、放牧地を隅から隅まで歩き回り、写真を撮りまくっていた私σ(^_^; 初日からたくさんツィートしたのはいい思い出ですね。そんな私に声が掛かりました。

「なおやさん、お客さんだよ~」

え? 私にお客さん? どゆこと?

錦岡牧場泊津繁殖場・放牧地

錦岡牧場泊津繁殖場・放牧地

事務所から離れた厩舎から戻っていくと入り口近くの厩舎に戻ってくると、見知らぬ乗用車が厩舎に前に停まっています。新しくなったのかな? と考えながら厩舎に入っていくと、スタッフの皆さんと繁殖馬や当歳馬について話している方がお見えになります。

「ご無沙汰してます、見学させて頂いてます」

とご挨拶。
はい、社長さんがお見えになったのでした~^^

ヤマニン倶楽部は、1999年に開設したヤマニン軍団応援ホームページです。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、なおやは関係者ではありません(^^ゞ ヤマニンゼファーが大好きで、1999年に牧場見学をさせて頂いたのをきっかけに、ホームページを作って応援しています。錦岡牧場の社長さんと初めてお会いしたのは、それからしばらくしてのことでした。牧場見学期間中は「ヤマニン倶楽部」のことを一切お話せず、ひっそりと見学をさせて頂いて、最後にお土産と一緒に名乗って去る、ということを繰り返していました。開設して数年後、スタッフさんに見学時期を尋ねられ、初めて面会させて頂いて以来、懇意にして頂いております。とてもカッコいいクールな方です。なにより、とっても明るくてお元気な方なのです(見習いたいっ!!)。

おかげさまでヤマニン倶楽部は、「公認・非公式応援サイト」になっている次第です。
(スタッフの皆さんには、時々「広報部長」と呼ばれることがあります(;^_^A)

以前に書いたとおり、新千歳空港に到着すると同時に、牧場の関係者の皆さんに到着のご挨拶と予定をメールしています。社長さんにも「金曜日に調教を見学したいので新和にお邪魔したい」旨をお伝えしていたので、前日、繁殖場へお見えになるのは、少しびっくりしました。

「今晩、いっしょに食事をしよう」

とお誘いに来て下さったのでした。

当歳時のテルメディカラカラ

当歳時のテルメディカラカラ

実は、牧場にとってこの週末、とても大事なレースが予定されていました。5/3(日) 東京11R スイートピーS(OP)に、錦岡牧場生産・小林薫氏所有のテルメディカラカラが、出走を予定していました。もちろん、期待のジョリーダンス産駒です。きっと東京へお見えになるだろうと思っていました。ですので、

「食事をするなら今晩しかないから、いいかな?」

というお誘いだったのです。宿泊場所の質問にお答えし、時間と場所を約束すると、特にいつも仲良くして下さっているスタッフの方にもお声がけ頂き、お食事することになりました。部外者である私たちをいつも細やかに気遣って頂き、感謝感激です。

社長さんはヤマニン倶楽部のサポーターのことも気遣って下さっていて、時に不躾な質問にもお答え頂いています。おかげで、いろいろな思い出もできた次第です。それはまたいつか、どこかで。

今回はJRAのCMにも出たことのある、新ひだか町静内の『赤ひげ』で、待ち合わせることになりました。私はビールのハーフ&ハーフが美味しいことを、この店で知りました。
とはいえ、まだホテルにもチェックインしていない状況でしたので、社長さんが町へ降りていくのを見送ると、手早く帰り支度をし、ホテルにチェックインしました。ちなみに今年も「ホテルサトウ」さんに投宿です。温泉と1Fの広い和室が大のお気に入りなのですが、近年は2人で日高に来ることが多く人数が少ないことから、1F和室ではありませんでした。

部屋に入るとすぐに荷解きをして、ふたりしてパソコンやらタブレットやらを取り出したり、デジタルカメラに充電を始めたりします。なんというか、日高まで来てデジタル機器にふりまわされている気がします(;^_^A

結構な量の写真を撮っていますので、空いた時間があればパソコンに取り込んで、整理します。ちなみに最近使っているパソコンは、Microsoft Surface Pro 3 (i5モデル)です。あわせてiPad mini も使っているのですが、画像編集も伴う日高旅行は、パソコンが必須です(というか、マウスが必須w)。

約束の時間まで30分程度になったところに、突然電話が入ります。

『なおやくん、今どこにいる?』

社長さんからでした。

「まだホテルです。すみません、もう着かれました?」

ホテルから赤ひげなら、歩いて5分掛からない距離です。とはいえ、お待たせしては問題です。隣でおーたさんが、身支度を始めます。

『スフィアーが産気づいたって』

出産前のヤマニンスフィアー

出産前のヤマニンスフィアー

「え?」

『さっき泊津(繁殖場)から電話があって、スフィアーが産気づいたんだって。お産が始まるから、申し訳ないけどスタッフの××くんは、泊津に返したから。ごめんね』

「いえいえ、お仕事最優先でお願いします」

いちおう、これはヤマニン倶楽部としての最低限の礼儀。お仕事の邪魔するのは、私も嬉しくないのです。生き物相手の仕事は、本当に大変です。

『なおやくんたちはどうする? お産みたいでしょう』

「う……」

返事に詰まるσ(^_^;

ヤマニンプチフールと当歳(2012年産 父ヤマニンセラフィム)

ヤマニンプチフールと当歳(2012年産 父ヤマニンセラフィム)

そうです、近年お産が見たくてこの時期に見学させて頂き、何度も運命に嫌われながら、初めてお産を見たのは2013年のこと。育成スタッフとの飲み会をすっぽかしてお産に立ち会いました(その節は、スタッフの皆さん本当にごめんなさいっ!)。
しかし、またしても食事会の前を狙うとは……プチフール(2013年のお産時の母馬)もスフィアーも、まるで狙っているかのようだ。
スタッフさんは、今週は多分ないって言ってたのに~っ!
とはいえ、社長さんのセッティングしてくれた食事会も、申し訳ないっ!

『好きな方でいいから、選んでいいよ』

なんという優しいお言葉なのでしょう、本当に気遣って下さるのです。

「えっと、お産も観たいけど、社長さんとお話もしたいので、悩みますっ」

という、直球返答した私。

『わかった。実は大量に料理を頼んでしまって、困ってたんだ。素早く食べて、泊津に行こう』

お優しい言葉です。おーたさんと慌てて準備をして、早足で赤ひげへ向かいました。

さてさて、赤ひげで待っていて下さった社長さんと合流し、久々に盃を交わしました。そして、次々と運ばれてくる料理の山に目を白黒させられました。それもそのはずで。この席にいるはずのスタッフさんの分も見越して頼まれていたそうです。タイミング悪いよ、スフィアーさん(;^_^A おーたさんとふたり、もうおじさんだけど、メンバーでは一番若いので、進められるままに平らげていきますが……如何せん、量がとてつもなく多いっ! もう若くないよっっ!

とはいえ、ここでもいろいろな情報を教えて頂くことになりました。例えば、このツィートが良い例です。

 

ネットのあちこちで、ハノハノの行き先を心配する声が上がっていました。
ハノハノは、オープンクラスで好走するも、グレードレースでは頭打ちでした。しかし、今年に入ってからはオープンコースでも成績が好転せず。そんななかでの入障・故障・引退でした。ヤマニン倶楽部にも心配の声は届いていましたし、私自身も気になっていました。社長さんは丁寧に、経緯と状況を教えて下さいました。競馬という華やかな世界だけを観ていると、周辺の暗い景色が見えなくなってしまいそうですが、いろんな関係者の方が、努力されていることを知らされます。

(これは見学記の最後になると思いますが、ヤマニンキングリーに会いに行き、よりいっそうその思いが強くなりました)

もちろん、これからの期待馬たちの話もします。
10年以上前、社長さんに質問を立て続けにするという不作法なことをしたことがあります。若かったんですね(^^ゞ それでもいやな顔見せず、冗談交じりに答えてくださった社長さんです。こういう時間を、私は大事にしたいと思っています。

私たちが根をあげると(もう量は食べられないデスw)、お店の方に包んで頂けるようリクエストして、帰る準備を始めます。(包んだものは、繁殖のスタッフへの差し入れになりました。お腹を空かせているかもと、おにぎりとかも追加されていました)
そして、社長さんが携帯電話に手を伸ばします……

『なおやくん、産まれたって^^』

「よかったですね~(;^_^A 間に合わなかった~w」

というわけで、今年もお産に立ち会えませんでした(>_<。)
日頃の行いが良いからに決まってます!
社長さんの車に同乗させて頂き、泊津繁殖場に戻ってきました。
するとヤマニンスフィアーの馬房前に、スタッフの人だかりができていました。みなさんにごあいさつ。

そろりそろりと厩舎を覗いてみると、可愛い仔馬が産まれていました!

このあと、社長さんとスタッフさんが静かに見守る中、フラフラフラフラしながらなんとか立ち上がりました! お産も凄いけど、立ち上がるところも凄いよね。なんで諦めないで何度も立ち上がろうとチャレンジするんだろうって、今回も思いました。立ち上がってもふらふら~っごちって頭打ったり、又別方向にふらふら~ってなって、お母さんにぶつかったりするわけです。

 

本当にエラいですよね、頭が下がります。

社長さんは仔馬が立ち上がったのを確認して新和育成場に戻られましたが、スタッフの皆さんは初乳を飲むのを確認しなければならないので、そのまま残っていらっしゃいます。私たちも残り、その様子を「カメラ」や厩舎を除きながら、見守りました。

泊津で見守るカメラ

泊津で見守るカメラ

無事初乳も飲むと、まずは一安心のようです。

今年もお産は観られなかったですが、立ち上がるところから観られたことは、やっぱり心に残ります。社長さん、スタッフの皆さん、本当にありがとうございますっ!

このあと、当初食事をいっしょにする筈だったスタッフの方といっしょに、い炉りへ行きました。ここももう何年も通っているお店です。社長さんがあらかじめお電話を入れて下さっていて、いろいろとご用意して待っていて下さいました。目黒さん、いつもありがとう^^

ただ、本当にお腹いっぱいで、あまり食べられなくてごめんなさい。でも、たくさんいい日本酒を飲ませて頂きました。

この日、さらにもう一軒行ったのは、内緒です(;^_^A

 

 

というわけで、思わぬスフィアーのお産で、初日から大混乱の牧場見学記。すでに見学から1ヶ月半が過ぎようというのに、まだ5日間の内初日しか終わっていませんっ! といいますか、初日は本当に面白く充実してました(;^_^A

というわけで、次回からは新和編をお送り致します。
まだヤマニン軍団の牧場出身馬からデビューした馬はいないこともあって、2歳馬たちの話を中心にお届けしようと思います。今回はもっと間を詰めて。

次回に続きます!

 

 

なおやの見学記2015-03

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • ハノハノ引退後のお話ありがとうございました。

    条件馬の頃でも、親しみを持たれていた馬です。

    ピークの頃、北九州記念6着と京洛S勝利を現地観戦できた事が幸せな思い出です。
    オープン勝利後にウイナーズサークル内で西園調教師と酒井騎手が力強く握手されていたのが達成感の表れで、直後の京阪杯以降は頭打ちだったのは残念でしたが、
    母方のトニービンの血脈から長く競走馬生活を送る事ができたのは良かったですね。
    ……血脈のことは私以上にハノハノを注目されていた方から声をかけて頂いて、
    一旦、条件戦で壁が出来たのかと感じてしまった私が恥ずかしくなるくらいに再生できる姿を追いかけられて、
    関西用の幕を新調するキッカケになって忘れられない馬です。
    長く生きていてくださいね。

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