さきたま杯は悔しい結果に。見えた課題と次へのステップ――
2025年に北海道スプリントカップ(Jpn3)、サマーチャンピオン(Jpn3)、東京盃(Jpn2)と交流重賞を3連勝し、ダート短距離界の新星として駆け上がったヤマニンチェルキ。今年初頭にはサウジアラビアのリヤドダートスプリントへと遠征する偉大な足跡を刻みました。帰国初戦となった前走の東京スプリント(Jpn3)は4着と悔しい結果でしたが、海外遠征の疲れが残る中でも懸命に走り抜いてくれました。 そして迎えた、6月24日の第30回さきたま杯(浦和1400m)。1200mをベストとするチェルキにとって距離延長や小回りコースといった懸念材料はありましたが、500kgを超える大型馬であることの強みやこれまでの実績から、ついに挑む初めてのJpnIの舞台への期待は最高潮に達していました。



大歓声の中、チェルキは継続騎乗の岩田望来騎手を背に4枠4番からゲートインしました。しかし、懸念されていた発馬の不安が最悪の形で現れてしまいます。ゲートが開いた直後、ゲートから飛び出したところで躓いたように見え、これで他馬から遅れることに。実況でも「少し飛び出しが良くなかったか」と伝えられるほどの痛恨の出遅れとなり、後方からの競馬を強いられました。 前線ではシャマルやベストグリーンが先行争いを繰り広げる中、向こう正面にかけてなんとか押し上げを図り、ママコチャの背後など中団やや後ろに取り付きます。しかし、3〜4コーナーで前を走る馬たちや一気に進出を開始したロードフォンスの加速力に追いつくことができず、いつもの「長く脚を使って外から捲る」という得意の形に持ち込めず。直線に向いても本来の末脚を繰り出すことはできず、抜け出したロードフォンスがJpnI初制覇を飾る中、チェルキは10着での入線となりました。


初めてのJpnI挑戦は、スタートに依然として大きな課題が残る形となりました。戦前から「出して行って好位を取れるか」が勝敗の鍵とされていましたが、小回りでタイトな浦和1400mにおいて、スタートで位置取りを失った時点で非常に苦しい展開になってしまいました。JpnIの壁の高さとともに、彼自身がまだまだ克服し、挑戦すべき課題があるという事実を突きつけられた一戦と言えます。
期待が大きかった舞台での10着という大敗に、正直私たちサポーターの多くもショックを受けている事と思います。しかし、悲観しすぎる必要はありません。今回は「出遅れ」という明確な敗因があり、サウジ遠征後からのリズムや、浦和という特殊なコース形態など、様々な要素が噛み合わなかった結果とも冷静に受け止めることができます。ヤマニンチェルキはこれまでも数々の課題を乗り越えてきた「タフ」な馬であり、それを支えてきた「陣営」があります。この敗戦を冷静に見つめ直し、スタートの改善や本来のコンディションを取り戻すことができれば、必ずや輝きを取り戻してくれるはずです。11月のJBCスプリントなど、次の大きなステージを見据え、私たちはこれからも彼の果てなき探求と覚悟の挑戦を全力で応援していきましょう。

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