ヤマニンチェルキ、交流重賞初制覇!
自身が輝くことができる最高の舞台を探して――ヤマニンチェルキは、与えられた舞台で常に輝いてきました。恩師の引退に華を添え、転厩先では自らの実力を証明するかのようにオープン競走・バイオレットステークスを快勝してみせました。しかし、初の交流重賞挑戦となった兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)では、小回りコースが合わずマテンロウコマンドの4着に敗れてしまいました。騎手からも「地方の小回りコースよりもJRAの広い馬場の方が競馬がしやすいかも」とのコメントもありました。中央場所に戻った前走・天保山ステークス(OP)では初の古馬混合戦となりましたが、痛恨の出遅れが響き8着。陣営は休養入りを選択しました。ヤマニンチェルキが輝くことができる舞台はどこなのか――陣営は、真夏の3歳スプリント競走・北海道スプリントカップ(Jpn3)を早くから選択し、準備を進めることになりました。
北海道スプリントカップが開催される門別競馬場のダート1200mはワンターンで直線が長く、外からの差しも決まりやすいコースです。ヤマニンチェルキの雄大な馬体と本来の「剛脚」を最大限に活かせる舞台として期待されました。この大一番に向けて、陣営はホッカイドウ競馬を代表するエースの一角、石川倭騎手とのコンビを確保――万全の準備を整えて挑む一戦となりました。
パドックでは当初4番人気でしたが、その仕上がりの良さにファンの注目が集まり、最終的には2番人気に押し上げられていました。

2025年8月14日 19:55、第29回北海道スプリントカップ(Jpn3)は予定通り門別11Rとしてスタート時間を迎えました。
スタートでは6番のヴィルミーキスミーが良い飛び出しを見せましたが、すぐに4番のワンダーウーマンが先頭に。ヤマニンチェルキ(7番)はスタート後、2番手のベラジオゼロをぴったりマークする形で好位の3-4番手外でレースを進めました。
向こう正面から3コーナーにかけて、ワンダーウーマンがリードを保ち、5番のベラジオゼロが2番手で追走する中、ヤマニンチェルキは4番手の位置をキープし、600m標識を通過しました。石川騎手はレース中、「ずっと余裕があったので、理想的な形でいつでも抜け出せるような感じ」であったと振り返っています。3コーナーから4コーナーへ向かう勝負どころでは、ヤマニンチェルキは「本当にいつでも抜け出せる感じで自信を持って追い出せた」とコメントする通り、じわっと動き出し先頭との差を詰め始めました。
直線に入ると、ヤマニンチェルキは残り200m地点で先頭に躍り出ました。内からは1番のエコロアゼル、そして外からは兵庫チャンピオンシップで敗れたライバル、1番人気のマテンロウコマンドが猛追してきましたが、ヤマニンチェルキは力強く押し切り、1馬身差でゴールイン。見事に交流重賞初制覇を飾りました。勝ちタイムは1分12秒4(良)でした。2着にはマテンロウコマンド、3着にはエコロアゼルが入り、馬券圏内はJRA勢が独占する結果となりました。



勝利騎手の石川倭騎手は、「チャンスをいただいていたので、勝ててホッとしています」とコメント。初ナイター競馬についても「少しハミを抜いたり噛んだりを繰り返していましたけど、最後まで頑張ってくれました。しっかり対応してくれたと思います」と、馬の対応力を高く評価しました。
今回の北海道スプリントカップでの勝利は、ヤマニンチェルキにとって初の交流重賞制覇であり、ヤマニン軍団としても2019年のヤマニンアンプリメ以来の同レース制覇となりました。また、父フォーウィールドライブにとっても初の交流重賞制覇という嬉しい結果をもたらしました。
石川騎手はレース後、「初めてなのでハッキリとは分からないですけど、距離を伸ばしても大丈夫なような感触も得ましたし、本当に先々が楽しみです」と、今後のヤマニンチェルキの可能性に大きな期待を寄せました。得意なスプリント舞台でライバルに雪辱を果たし、秋へ向けた準備が万全に整ったヤマニンチェルキ。まさに「北の夢」を掴み取り、これからはいよいよ、探し求めているより大きなタイトル、そして輝かしい未来へと突き進んでいくことでしょう。今後の活躍を、ぜひいっしょに応援してください!
関係者の皆さま、本当におめでとうございます。
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