七夕賞(G3)・ヤマニンデンファレは、5枠10番より出走することが決まりました。
日曜・2022年7月10日 福島競馬場で開催される 第58回 七夕賞(GⅢ)の出馬表が発表されました。
期待のヤマニンデンファレは、5枠10番より、主戦・江田照男騎手の手綱での出走となります。
芦毛の重賞2勝馬ヤマニンアラバスタの孫娘にあたるヤマニンデンファレは、多くの期待を背負いながら2020年7月に福島の地で5着デビューを飾ると、なかなか成績を残すことができずにいました。ヤマニンアラバスタはヤマニンアドーレ1頭を残して他界し、関係者も悩みながらも「これまで牧場を助けてくれた、そしてファンの多い牝系の一粒種だから」と繁殖入り。その初仔がヤマニンデンファレだったこともあり、半ば想いはありながらも多くの期待が寄せられてこなかったのも、残念ながら本当のことだと思います。しかし、ヤマニンデンファレに転機が訪れます。出身であった星野忍厩舎が解散となり辻哲英厩舎に引き継がれると、一旦放牧に出されたヤマニンデンファレは成長を見せ始めます。2021年5月 東京の未勝利戦を逃げ切り勝利を収めると、9月中山・自己条件(1勝クラス)を11番人気でふたたび逃げ切りで勝ち! 一躍ヤマニンアラバスタの名前を競馬界に思い出させしめたのです。ここで一旦休養を挟むとさらに年末、中山・自己条件(2勝クラス)を8番人気ながら先行抜け出しで連勝。「一介の逃げ馬」ではないことを証明して見せたのでした。7カ月で3勝を飾る見事な走りを見せてくれました。そしてその鞍上には、中京での1レースを除いて常に、ヤマニンアラバスタ・ヤマニンアドーレ母娘の主戦を務めてきた江田照男騎手の姿がありました。
今年に入ってヤマニンデンファレは、2月の東京・初音ステークスを7着。3月の中山・スピカステークスを4着とゆっくりと使い出しながら使い詰めせず、いったんは休養に出して適鞍を探してきたのでしょう。万全を期して登録したのが今週、阿武隈ステークス(3勝クラス)と七夕賞(GⅢ)のダブル登録でした。陣営が秋への飛躍に向けて、少しずつチャレンジしている様子が見てとれます。ヤマニンデンファレも重賞初挑戦となる今走ですが、実は辻厩舎も初の重賞挑戦。慎重さが窺えます。発表されたハンデは最軽量の50.0kg。陣営は初の重賞挑戦への舵を切ったのです。
そして慎重さが窺える辻厩舎ですが、土曜日の須賀川特別にヤマニンガラッシア、日曜日の織姫賞にデンファレの半妹ヤマニンパニータを出走させます。もしかして辻厩舎……剛毅果断なタイプ? 好き!
競馬の格言に、『夏は牝馬』『夏は芦毛』というものがあります。検証結果は「いやいや、そんなものはない」と言われています……が、競馬の楽しみ方はそういうことでしたっけ? ここに「芦毛」で「牝馬」が初タイトルに挑みます。最軽量で! ヤマニンアラバスタもまた、初タイトルは『夏の芦毛の牝馬』でしたからね? ヤマニンアラバスタの新潟記念(GⅢ)は2番目に軽量の52.0kgだったことは、ここだけの話。
コメント