両馬ともに低評価を覆し入賞! 良馬場での走りを見てみたい!
梅雨時の重賞レース故に、馬場か悪くなるのは当然のことなのかも知れません。
2023年6月11日 東京競馬場で第40回 エプソムカップ(G3)が開催されました。このレースはヤマニンサルバムとヤマニンサンパと、ヤマニン軍団12年ぶりとなる2頭出しとなりました。ただし、この2頭はここまでの経緯が全く異なる状況でした。ヤマニンサルバムは年末年始の連勝からオープン入り後コンスタントに走ってきたなかで、折り合い、雨による馬場不良と不運が続いて迎えるレースでした。主戦が函館転戦のため鞍上に三浦騎手を迎え、なんとか内枠・良馬場でレースを運びたいところでした。残念ながら天気は好転せず、この日もほぼ雨が降り続き、レース前に雨は止んだものの稍重での施行。枠順も6枠11番とやや外寄りとなり、好条件とは言いがたいスタートとなりました。対するヤマニンサンパは、2022年7月 新潟・関越S(OP)8着以来の復帰戦となりました。昨年もこのレースを使っており(7着)、適性は十分だと考えられていたことでしょう。ただし、昨年は骨りゅうを抱えてのレースでもあり、治療と調整のために費やした時間は長期であったと言わなければならず、「久々がどうか?」というのが大勢の意見でした。
パドックに表れた2頭は状況は異なるものでしたが、ヤマニンサンパが放牧明けながら増減なし、ヤマニンサルバムが-2kgとしっかりと調整したことが窺えるデキで、天気が恨めしくもありました。ヤマニンサンパには杉原騎手が初騎乗となりました。調教に乗るためわざわざ栗東へ移動したほどで、このレースへの取り組みは好感が持てるものでした。
10番 ヤマニンサンパ、11番 ヤマニンサルバム と並んでパドックを周回する様子は、本当に珍しいものでした。
なによりもヤマニンサンパは芦毛で、ヤマニンサルバムは黒鹿毛。白黒とオセロのようなコンビで同じ勝負服。どうか無事に、そして良いレースとなることを願わずにはいられませんでした。
ヤマニンサルバムは馬場か渋ったことが嫌われたのか、9番人気。ヤマニンサンパは久々が嫌われたのでしょう、15番人気と、いずれも普段からは考えられない低評価でした。
スタートは両馬共に五分に出ると、ヤマニンサルバムがわずかに先行し、馬群の落ち着き場所を探ります。結局8番手追走となりますが、前に馬を置きたいという希望は半ばといった流れでした。対するヤマニンサンパは自然と位置取りを中団まで下げ、12番手追走。あまりレース展開に注文がつかないため、良い位置で控えられたかと思います。
3コーナーに掛かると、ヤマニンサルバム・三浦騎手は徐々に進出し前の馬の外目を目指して進出を開始。ヤマニンサンパ・杉原騎手は内3頭目あたりでコーナーを曲がると、直線左鞭を当てながら徐々に馬場中央へと進路を取りました。
直線、馬場の良いところに出して勝負がしたかったのであろうヤマニンサルバムでしたが、坂上から思ったように末脚を伸ばすことができず、懸命に三浦騎手が追います。右鞭に応え必死に堪えるヤマニンサルバムは前に行く馬をなんとか交わし、6着と掲示板には届かなかったものの賞金をしっかりと掴んで見せました。もう一頭、ヤマニンサンパは直線に入ると外へと進路を変更。残り400m地点では後方3番手の位置取りながらそこから一気に加速。全馬の大外からレースで4位タイとなる34.8秒のあがりタイムを叩き出し、残り1ハロンで8頭を交わす走りをみせ、8着とこちらも入着して見せたのです。大外飛んできた水色の勝負服と、粘って見せた同じ水色の勝負服が、とても誇らしげでした。
レース後の騎手たちのコメントが、この日のレースを物語ってくれています。
6着 ヤマニンサルバム(三浦皇成騎手)
ラジオNIKKEI https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_29549.html
「前目で壁を作ってうまく運ぶことができました。ただ、道悪は良くないようで、力でリカバリーしてくれていますが、パンパンの馬場で走らせたかったです」
杉原騎手(ヤマニンサンパ8着)
サンスポ https://www.sanspo.com/race/article/general/20230612-VVFQACMT3NLTBFKKKMRQ7I6WTU/
「最後に外へ出したときの脚はすごく良かった。重賞を勝てるだけの背中をしています」
思っている以上にヤマニンサルバムは乗り難しい馬なのかな、と思わせます。三浦騎手は浜中騎手の助言を忠実に実行した上で、「パワーでカバーしてるけど、道悪得意というわけではない」ことを伝えてくれています。コンスタントに走っているので、順番は何れ回ってくるように思えます。
ヤマニンサンパは昨年・川田騎手で挑戦していたように、陣営の期待は大きいことでしょう。実は、ヤマニン倶楽部のなかでもヤマニンサルバムよりも期待する向きが強かったですが、久々もアリかなりの低評価。とはいえ、この道悪で最後末脚を伸ばしてきたところをみると、いよいよ次走が復帰本番となりそうです。
支持は得られなかったものの、低評価を覆す入着という結果を残した両馬。条件が揃ったとき、やはりヤマニン軍団12年ぶりのJRA重賞制覇をどちらの馬名で飾ってもおかしくないことが証明されたのではないでしょうか?
改めて、次走に期待しましょう!
◆おまけ
Twitterでこんなの見つけちゃいました。かわいすぎです^^
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