スタートロスもラスト強襲で爪痕を残す!
重賞2勝で証明された無類の左回り適性と先行力に加え、十分な休養と順調な調整過程に、最内枠を引き当てたヤマニンサルバムの9番人気はいかにも低評価だったとは思われるものの、支持するヤマニンサポーターにとってほぼタイトルが脳裏にチラつく条件が全て整ったと言えるものでした。小雨が続いた東京競馬場も、良馬場を保っており、限界を越えるときが来たと思わずにはいられないものでした。
5カ月ぶりぶりに姿を現したヤマニンサルバムは、前走比-2kgと仕上がった状態で、口を開けて少しテンションが高めなのもいつも通りのパドック周回で、レースが楽しみなものになっていました。
レースは、スタート直後に罠が仕掛けられていました。テンで外の馬に先を越されると、3列目で控える競馬となったヤマニンサルバム。逃げるか先頭集団での競馬を想定していたと思われるものの、距離のロスなく立ち回れることと、前に馬を置けたことでタメを作れたことはプラスに作用したと考えられますが、ヤマニンサルバムの先行力が活かせたかというと万全とは言えなかったかも知れません。
距離ロスを最低限にするため、リスクがありながら内を突いたとする鞍上でしたが、リスクは発言してしまいました。前が壁となり、外側には勝ち馬がしっかりと蓋をする状態となり、末脚を活かすにも進路がなく、苦しい直線となってしまいました。ラスト100mで強襲した末脚は、これまでのヤマニンサルバムのイメージを覆し、このクラスでも伍して戦えることを表現してくれたのではないでしょうか。
4着 ヤマニンサルバム(三浦皇成騎手)
https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_33227.html
「開幕週を考えれば、内枠は良かったと思います。ペースが遅かったのでリスクはありましたが、今日は後ろから外を回すのは厳しい流れだったので、内を通るリスクを選びました。エンジンがかかるのに時間がかかるタイプなので、もう少し早く前が開いて欲しかったです。しかしその中でもよく差を詰めてくれました。緩急を求められるペースに対応できたのは成長だと思います」
ラストの強襲も4着までとなったヤマニンサルバム――しかしながら、自らの限界を切り裂き、新たな可能性を切り拓くレースにいすることができた毎日王冠。次なるタイトルに向けて、ヤマニンサルバムの挑戦が続きます。
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