なおやの牧場見学記2014――第2弾 さっそく種付けに行ったらいいじゃない……ということで……
[notice]本来生産牧場は伝染病予防を主目的として、出産・種付けシーズンの見学を許可しておりません。今回ここに書き留めることは、このシーズンに見学ができるかのような誤解を与えてしまうのであれば不本意です。かならず「競走馬のふるさと案内所」をよく読んで、牧場見学のルールを守って下さいね。[/notice]
実は私、かなりの雨男です。
さる知り合いの皆さんには「雨魔王」と呼ばれ、牧場のスタッフには「ヤマニン倶楽部の写真はカッパ姿ばかり」との評判です。
ところが今年は日高地方で雨が降っていなかったそうで、「なおやさん、雨降らして下さいよ」と言われてしまいました。「天気予報では夜から雨だけど、雨降る前に写真が撮りたいヨ」というのが私の本音でした。
早速、放牧地を廻って仔馬や母馬たちの姿を写真に収めようと、厩舎裏のパドックをのぞくと、ヤマニンメルベイユと生まれたばかりの当歳(父タートルボウル 牝)がいました。
私、雨男なばかりか、馬の区別も付きません(^^ゞ
牧場にこれだけ足を運んでいるのに、まだ区別が付かないんですか、とは数年前に若いスタッフに言われた私へのコメントです。頭数が多すぎて、判らなくなります。
とはいえ、ヤマニンスフィアー、ヤマニンファニオン、ヤマニンメルベイユなどは特徴的な毛色やマーキングで区別が付きます。
例えばヤマニンメルベイユは栗毛で鼻梁小白(鼻筋に細い白い筋)です。
なので区別がつきます。
他にも、芦毛馬はさすがに区別が付きます。入り口左側の放牧地(グローバル師匠のいる道を挟んだ表側)にいた芦毛は、当然ジョリーダンスというように区別が付きます。
というような話を件の若いスタッフに笑顔で話したところ、苦笑いで返されました。
「なおやさん、あれトゥドロワだよ~。今年から移動してきたから……」
え~っ!
「ジョリーダンスは、ちょっと事情があって、厩舎にいるから(^^;」
いや、もう恥ずかしいっ! 区別つかないよぉ~(ノ><)ノ
(芦毛なんてみんな同じじゃんっ!!)
↑これは嘘です。きちんとマーキングがあります。芦毛に白い模様があるのです。
さすがにこの一件は慰められましたけどね(^^ゞ
◆
さてさて、そんなわけでヤマニンメルベイユと当歳と出会った私は、早速カメラを取り出して撮影したわけですが、とねっこは人懐こくて興味津々で寄ってきます。
近い、近いよっ!! このあとさらに接近させられちゃいます。
仔馬、とにかく可愛いんですよね。
別の放牧地でもカメラを構えていると、
「えっ、そろそろ家帰る時間なの? やったー、ご飯の時間だーっ」
あっという間に集まってきます。夕方だから、みんな早く帰りたいんだね(^^ゞ
この時点では、どの馬がどの子か区別つきませんが、左の栗毛っ子はヤマニンギモーヴの2014(牝 父ヴィクトワールピサ)です。
→ 鹿毛はボーテセレストの2014(牝 父キングズベスト)と判明致しました。ありがとです^^
ところが、仔馬大好きな私が仔馬たちと遊んでいると、どこからともかく草を食んでいた巨大な影が忍び寄ってきます。
例えば、ヤマニンスフィアーの仔にちょっかいをかけている場合は、決死の覚悟が必要です。確実に駆け寄ってきて噛み殺されそうになりますw ちなみに、仔馬が遊びたくて私たちに寄ってきても、スフィアーは躊躇なく私たちに攻撃を仕掛けてきますが、このお母さんはおっとりしていて、構ってくれます。
こういうサービス精神旺盛な馬は、たいてい決まっていて、どの年に来ても仲良くしてくれます。本当にいいヤツらなんです。
なんかこの馬。ヤマニンパラダイスっぽいなぁ~。パラダイスってこんなに人なつっこかったっけ? いや、長年通ったおかげで、私もやっと認識してくれたのかなぁ……嬉しいなぁ~(>_<。)
ヤマニンシュクルとか、ヤマニンドリーマーとか、ヤマニンラレーヌとか、鹿毛は本当に区別が付かないです(^^ゞ
いろいろと感慨深い想いを抱きながら、牧場の放牧地という放牧地で写真を撮りまくり、仔馬と遊び、母馬たちに冷たい視線を送られながら、歩き回っておりました。
初日から不審者全開の私たちwww
◆
「なおやさぁ~ん」
と、場長さんに呼び止められました。
「なおやさん、パラダイスの種付けがあるのさ。行ったらいいべさぁ」
と種付け見学のお誘いでした。
「どこへ種付けに行くんですか?」
「今回はダーレーだぁ」
「あ、行ったことないです。大好きなパラダイスと一緒にいられるし、行きますっ!」
場長さん、優しいなぁ~。場長さんのおかげで、ビッグレッドFにも社台SSにも見学に行かせて頂きました。そして今回はダーレーです。ありがとうございます!!
しばらくして、ヤマニンパラダイスがスタッフの横山さんに引かれてやって来ます。
うん、やって来ま……あれれ?
ん、んー?
直検に向かう途中のヤマニンパラダイスです……ん?
なんか変です。仔馬がいない……。
「なおやさん、パラダイスは今年、当歳いないよ」
「え~っ!」
と、ということはですよ、さっき交流を深めていた……
この馬は、パラダイスじゃないってことっ!?
「なおやさん、その馬はカルフールだぁ。相変わらずだなぁ、ハハハハハ」
がーんっ! 確かにヤマニンカルフールはいつも愛想がいいけど、いつも他の馬と間違えてる。ごめんっ、カルフール! 鹿毛の区別は無理だべ~(>_<。)
というわけで、大好きなのにいつも見つけられないヤマニンパラダイスいっしょに、ダーレージャパンさんへ種付けに行ってきました(^^ゞ
ダーレーJFさんは、とてもプロフェッショナルでした。
少ないスタッフ数なのですが、てきぱきと効率的に作業が進んでいきます。
ビジネスライクではあるのですが、かといっておもてなしがないかというと、そういうわけでもありません。
スタッフの野上さんとダーレーJFさんの間で、仕事上のいろいろな情報交換がなされていきます。本当に無駄がないっ!
今年はこの中から改善点が見つかったようで、後日野上さんから場長さんへ提案し、実行に移されることになったそうです。
見学に来ると、いつもこんな「改善」が繰り返される現場に立ち会えます。馬作りって、こうしたちょっとずつの積み重ねなんだなぁって、しみじみします。
でも、今年はまだ1勝なんだよねぇ~。頑張ってるからっていい結果が出るとは限らないよね……。
それでもこれだけは言わせてください。
まだ馬の区別が付きません(^^ゞ つかないので、作ったのが以下のページですっ!
→ 繁殖馬リスト
来年も、パラダイスを見つけられるかなぁ~。
【次回は、第3弾! 繁殖場を徘徊する】をお届けしますっ!
おまけです。
初日の夜は、いつも通り目黒さんに会いに『い炉り』へ行ってきました!
競馬ファンでこの店知らない人はいないでしょっ、という、競馬ファン(と競馬関係者)のサロンのようなお店です。日本酒が大好きな私は、静内に行ったら必ず立ち寄ります。牧場のスタッフさんとも、社長さんとも何度も来ているお店です。
日本酒が有名ですが、是非食べて欲しいのは「栃尾の油揚げ」です。絶品ですっ!
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