ヤマニンサルバム、直線伸びず11着に……
最良の馬場で走らせてみたい、そう切に願いたい結果になりました。
2023年7月16日 函館競馬場で第59回 函館記念(G3)が開催されました。ヤマニン軍団にとってこのレースは、2002年にヤマニンリスペクトが優勝、1995年には12番人気で2着激走したヤマニンリコールなどの名前が上がるレースです。年明けのオープン入りから、金鯱賞(G2)、新潟大賞典(G3)、エプソムカップ(G3)と重賞戦線を使われたヤマニンサルバムが、4度目の重賞挑戦として函館入りしました。
力んで走るので前に馬を置きたいと展開に注文が付き、左回りが得意で、道悪は持っているパワーで乗り越えられるが得意ではないと結論づけられるほどには、運に見放されているのかと思われるほど枠、天気、馬場が揃わないレース、レース、レース……。梅雨のない北海道に渡れば、右回り以外の条件が揃うかも、と思わせたものの……前日も雨。当日も曇りで、馬場も稍重までしか回復しないで発走時間を迎えました。
鞍上は替わり、横山和生騎手に替わり、アンバランスな走りから「左回りにこだわることは理解できる」というコメントも。指揮官・中村師からも「馬場に恵まれて欲しい」ともコメントされたこともあり、11番人気の低評価に甘んじることになりました。
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3枠5番と比較的内側の枠からスタートしたヤマニンサルバムは、五分のスタートながら少しよろけたこともあり後手を踏むも、4番ドーブネのさらに内側に進路をとり前目に進出すると、好スタートを切った2番ユニコーンライオンと外から先団に取り付いた14番テーオーシリウスに続く3番手で第1コーナーに入り、前に壁を作るというお約束まずはクリアして見せました。外にキングオブライオンを見ながら向こう正面へ。
600m標手前でヤマニンサルバムは進出を開始し、テーオーシリウスを交わして先頭を行くユニコーンライオンを掴まえに動きます。大きなアクションと鞭の入るユニコーンライオンを内に見ながら、気合いを入れつつ3コーナーから4コーナーへと進出するヤマニンサルバムは、好調期を思わせるレース運びで、一気に期待が膨らみます。
4コーナーで先頭に立つと、開催最終週となった直線の芝が残る場所を選択して直線へ。一気にスパートを賭けようと鞭が入り、勝利への光が一瞬見えたかにも思われたのですが……直線入ると見るからに加速が衰え、残り200m標で内から7番ルビーカサブランカに交わされ(この段階で粘るユニコーンライオンを交わせず)、外からハヤヤッコ、内からブローザホーン、さらに大外から勝ち馬ローシャムパークに交わされた頃には馬群に沈み、11着に敗れる結果となってしまいました……。
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レース後、鞍上の横山和騎手はインタビューに、
横山和騎手(ヤマニンサルバム11着)
サンスポ https://www.sanspo.com/race/article/general/20230717-IDAPC4POHNIYZML3VV32WCYKUM/
「ラストで左手前で走るときに、走りが小さくなっていました。左回りの方がベターかな、と思います」
とこのように応え、レース前に語ったコメントを裏付けたのでした。
とはいえ、右回りでも好走していたことを考えるとこれ単独の結果ではなく、渋った馬場が指揮官が述べていたようにパワーで埋め合わせた結果余力を失わしめ、より直線失速に繋がったのではないか……そう思わせられるレースでした。
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結果は残念でしたが、2023年上半期をコンスタントに走り抜けてくれたヤマニンサルバム。いろいろと条件が揃った時が楽しみであり、それだけの素質のある馬だとも言えます。これからも応援していきましょう! お疲れさまでした^^
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