流れ向かず悔しい結果も、ヤマニンアルリフラの末脚は秋へとつなぐ――
ヤマニンアルリフラは、前走の北九州記念(G3)を3連勝で重賞初制覇を飾るなど、まさに勢いに乗る一頭でした。この勢いをそのままに、CBC賞(G3)でも重賞連覇を達成し、サマースプリントシリーズでポイントを稼ぎ、秋のGⅠ戦線へ名乗りを上げるという大きな期待が寄せられていました。
前走から在厩で調整されたヤマニンアルリフラは、前走から-2kg となる494kgでパドックに現れ、デキは前走から維持されているように見えました。前走で重賞を快勝したことから、オープン競走を3勝しているジャスティンスカイと共に牡馬トップハンデタイの57.5kgを背負うことになりましたが、これまでにも58.0kgを経験して結果を残していることもあり、斥量への大きな不安は相手関係以外にはなく、ここまでの勢いで中京の急坂を乗り越え、一番手でゴール板を駆け抜けてくれると信じていました。鞍上には、3戦連続となる団野大成騎手が騎乗し、心強いコンビでの出走となりました。




2025年8月10日、レースは中京競馬場の芝1200m(左回り)で行われました。フルゲート18頭で行われ、ヤマニンアルリフラは7枠14番からのスタートとなりました。

スタート直後、ゲートが開くと共に4番クラスペディアや9番ジューンプレア、そして17番インビンシブルパパがダッシュ良く先行争いを展開。特に、インビンシブルパパは絶妙のスタートからハナを奪い、レースの主導権を握りました。ヤマニンアルリフラは好スタートも中団に控えてレースを進める形となりました。 結果的にこの判断がレース結果に色濃く反映されることに。ハイペースが予想されたこのレースでしたが、インビンシブルパパの絶妙なペースで想定外に落ち着いたレースとなり、後方から進めたヤマニンアルリフラにとっては不利に働いてしまいました。
直線に向いてからも、なかなか進路が開かず、馬群の中で伸びあぐねる形となりました。苦しい展開の中、ヤマニンアルリフラは自身最速の上がりタイムを計時する末脚を発揮したものの、落ち着いたレースから他馬も末脚を発揮する流れもとなり前も止まらない展開となりました。これでは他の馬たちも勢いを維持しており、差し切ることは叶いませんでした。
最終的に、レースは先頭を譲らなかった17番インビンシブルパパが粘り切り、重賞初制覇。2着には9番ジューンブレア、3着には5番シュトラウスが入り、ヤマニンアルリフラは残念ながら12着という結果に終わりました。


レース後、団野大成騎手からは次のようなコメントがありました。
12着 ヤマニンアルリフラ(団野大成騎手)
https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_35607.html
「流れが落ち着いて、前の馬向きの流れになりました。もう少し脚を使えると思ったのですが、スタートが良かったので、もう少し流れに乗せていっても良かったかもしれません」
このコメントからも、想定よりもスローなペースが、ヤマニンアルリフラが本来持つ実力を十分に活かしきれなかった要因であったことが伺えます。
今回のCBC賞は、ヤマニンアルリフラにとって、重賞連覇という目標を達成できず、着外に沈むという悔しい結果となりました。しかし、厳しい展開の中でも自身最速の上がりタイムを記録したことは、引き続き成長している証に違いありません。
この悔しさを胸に、ヤマニンアルリフラは次のステップへと向かいます。この経験はきっと秋の大舞台へとつながる糧となるはずです。
夏の終わりに思わぬ形で足踏みとなりましたが、この馬の実力はこんなものではないはずです。秋には、より大きな舞台での活躍が待っていると信じています。みんなの期待のバトンは、秋へと繋いでくれる筈です!
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