ふたたびの重賞挑戦へ――ヤマニンウルスの物語は続いている。
“怪物” と呼ばれたヤマニンウルスが、ふたたびダート重賞戦線に立ち返る。
向かうのは、阪神競馬場で2025年4月19日に開催される 第30回 アンタレスステークス(G3・ダート1800m)。
2022年夏から始まり2年間で築いた5戦無敗の重賞制覇は、ゆっくりとした歩みではあったものの、「この馬は、ダート界の主役になる」と確信させるものでした。

しかし、GI挑戦を夢見た昨年秋からは思うに任せぬ出来事が続き、「強い馬が、強いまま結果を出し続けること」の難しさを噛み締めることになりました。目標としていたGI・チャンピオンズカップに補欠1番手で出走が叶わず。2週間後の名古屋大賞典(Jpn3)に出走したものの、初めて6着と土がつくことに。地方の深い砂、伸びた距離、慣れない輸送、思わぬローテーションなど、さまざまな要因が考えられたものの、それでも「まさか」の結果でした。確実にローテーションを組めるためにも賞金上積みが必要としながらも、アルデバランS(OP)はルール上またまた出走除外。続いて出走した小倉大賞典(G3)は初の芝レースで、10着に沈むことに。信じてきた分だけ、苦しみが滲み出るコメントがネットやファンの間に溢れました。
でも……信じてきたものたちには、わかるはず。
――あの馬は、惑ってなどいない。ただ、自らの道を歩んでいるだけ。遠くにあるものを見失わず……
その証拠に、コンスタントに調教もレースも使えるようになり、準備を積み重ねてきているのだから。

先月、コーラルステークス(OP)に出走したヤマニンウルス。距離を1400mに短縮して出走。1番人気に支持されながらも3着。勝ちきれなかったものの、ラスト200mの手応えは確かに「らしさ」を感じさせ、重たい斥量を背負い、着実に伸びてきた姿は期待を感じさせました。そして次こそ、主戦場!
相手も、決して楽なわけではありません。
フェブラリーS(GI)3着で地方重賞で敗れた因縁の相手ミッキーファイト、連勝で重賞制覇を果たしたサンデーファンデー、昨年のシリウスS(G3)2着馬オメガギネス、圧倒的な末脚が脅威のGI4着馬ハギノアレグリアスなど、多士済々。
苦しい時期を知っているからこそ、それでも走り続ける姿に胸を打たれます。
これまでのすべての選択、すべてのレースに意味があったと信じたい。
勝っても、負けても、ヤマニンウルスが歩んできた道は「物語」であり、そして今、その続きを見届けようとしています。
惑いじゃない、物語だ。アンタレスステークスはその物語が続いている場所。
まだ何も終わってはいない。ヤマニンウルスは、走り続けています。
私たちの声援を、届けましょう!
第30回 アンタレスステークス(G3) 2回 阪神7日目 サラ系4歳以上 オープン (国際) (指定) 別定 コース:1,800m (ダート・右) 【登録頭数:14頭】(フルゲート:16頭) |
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オメガギネス (57.0) サンデーファンデー (59.0) タイトニット (57.0) トウセツ (57.0) ハギノアレグリアス (58.0) ブレイクフォース (57.0) ホウオウルーレット (57.0) マリオロード (57.0) マーブルロック (57.0) ミッキーヌチバナ (58.0) ミッキーファイト (58.0) ヤマニンウルス (58.0) ラインオブソウル (57.0) ロコポルティ (57.0) |

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