競馬界のフェスと言えるオールカマー。僚友と同じ舞台に立つ秋にするために!
2023年6月、長らく続いた骨りゅうの治療から復帰したヤマニンサンパは、僚馬ヤマニンサルバムとともに東京競馬場・エプソムカップ(G3)に出走した。後に重賞2勝を飾ったヤマニンサルバムは6着で、その1馬身後ろの8着にヤマニンサンパの姿がありました。
「即興演奏」という名前を身に帯びたヤマニンサルバムは雨に祟られながらも走り続け、2023年末には中日新聞杯(G3)制覇を達成し、コンサート・ツアーを団大円で締めてみせました。1つ先輩となるヤマニンサンパではあるものの、1年間を骨りゅうの治療に充てていたこともあり、キャリアはさして変わらない若さを保っています。OPレースを中心に転戦を続け、いずれも鋭い末脚で3着を確保し、「次こそ勝利して重賞戦線へ――」という想いは、僚馬のオクトーバーS勝利にも重なります。しかし結果は残念ながら3走連続3着。勝利が目の前にチラついているからこそ、なかなか変えられなかった2023年だったのかもと、今なら感じられます。
しかし、陣営は変わろうとしていました。今年初戦は当初、日経新春杯(G2)と距離延長の方針が示唆され、休養明けとなった前前走・鳴尾記念(G3)への挑戦は、馬の力を信じた結果の4着と言えました。そのレース内容から宝塚記念(GI)への挑戦は、ヤマニンサポーターにとっても驚きの決断でしたが、この文脈は「ヤマニンサンパが力を発揮するためには――」の選択だったと判ります。レースは天候不良のドロドロの馬場でその決断の成果は誰にも判らないことになりましたが。
陣営は早々に夏は休養と宣言し、次走として早い段階からオールカマー(G2)と明言してきました。中央、地方、サラ、アラブ……あらゆるジャンルを越えて出走できる音楽フェスのようなこの重賞レースは、僚友の背をみながら走るのにも最高の舞台。今度こそ自らの名前を叫ぶ大団円を目指して――僚友と同じ舞台に立つ秋にするために!
ヤマニンサンパ、2018年生まれの6歳牡馬。JRA4勝ヤマニンパピオネの4番仔。
2021年6月と遅いデビューながら、同年7月、4走目の未勝利戦で勝ち上がると、2022年2月に阪神・4歳以上1勝クラスを快勝。余勢を駆って翌月 飛鳥S(3勝クラス)に格上挑戦し、連勝! 6月のエプソムカップ(G3)で重賞初挑戦。重賞の舞台で水色の勝負服が久々に走り抜け、妹ヤマニンアンフィル、そして超話題馬として今年1月にオープン入りを果たした半弟ヤマニンウルスらとともに、話題を提供してくれました。2022年7月の関越S以降骨りゅう治療のため長期に戦線離脱したものの翌2023年6月のエプソムカップ(G3)で復帰。翌7月の関越S(OP)で5着と掲示板を確保すると、9月にケフェウスS(OP)、10月にカシオペアS(OP)、11月にアンドロメダS(OP)と秋・中距離のオープンレースを3走連続3着と実力を示していました。
明けて2024年は1月の日経新春杯(G2)から始動予定でしたが一頓挫あり休養していましたが、万全の体制で鳴尾記念(G3)で復帰し、後方から上がり2位の33.8秒の末脚で4着に入る好走。陣営はその実力を宝塚記念(GI)で試すことを決断。事前の人気投票では95票ながら、勇躍・宝塚記念に出走。残念ながら雨の不良馬場で末脚を活かすことができず、9着後休養していました。早くから秋競馬はオールカマーから、と報じられていました。
第70回 オールカマー(GⅡ) 4回中山7日 3歳以上 オープン (国際)(指定)別定 コース:2,200メートル(芝・右 外) 【登録頭数:15頭】(フルゲート:17頭) |
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アウスヴァール (57.0) アルビージャ (57.0) キラーアビリティ (57.0) サヴォーナ (57.0) サリエラ (55.0) ステラヴェローチェ (57.0) ナイママ (57.0) ニシノレヴナント (57.0) フェーングロッテン (57.0) ミクソロジー (57.0) ヤマニンサンパ (57.0) ラーグルフ (57.0) リカンカブール (57.0) レーベンスティール (57.0) ロバートソンキー (57.0) |
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